様々な木の色合いや風合いを組み合わせて模様を作り出した種板(たねいた)をベースに、かんなで薄く削って(0.15~0.2mm)シート状にしたものを小箱などに化粧材として貼っていく「ヅク貼り」と、種板そのものをろくろでくり抜いて加工する「ムクづくり」が箱根寄木細工の特徴です。一片一片の木片を作るためには木を切り出す角度や寸法の正確性、接着技術、そしてそれらを生み出す工具の製作に至るまで長い年月の経験と熟練が必要です。
種板は基礎材と呼ばれる材料となる木を型に入れて切り、模様の部材を作ります。そこから生み出される伝統模様は約60種類。色や配置を変えると100種類にも200種類にもなると言われています。「六角麻の葉」や「紗綾型(さやがた)」「青海波(せいがいは) 」「七宝矢羽(しっぽうやばね)」「鱗文様(うろこもんよう)」などが代表的な文様となります。